キャットフードとアレルゲン

一般食にはあまり使われていない食材を選んで構成されており、1つ試してみてだめだった場合は、違う構成のものを試してみるといいでしょう。人の場合は、乳幼児期に食べた食材があとでアレルゲンに化けやすいというデータがありますので、ネコが生まれてからいままで食べたことのない食材を狙うと、より成功しやすいと考えられます。体の免疫が敵を認識するには、対象がある程度大きな分子でないとうまくいかないそうです。そこで、キャットフードのタンパク質を製造過程で分解して、細切れのアミノ酸にしてしまおうという発想が生まれました。「加水分解」というのは簡単にいうと、分子を断ち切る際に水の分子が切断端に加わるということです。これにより、体の免疫システムはキャットフード中の分解タンパクをアレルゲンとしてとらえられなくなるわけです。加水分解食は、基本的に一般のぺットショップでは購入できないので、かかりつけの獣医に相談するといいでしょう。ただしこれは反論もあり絶対ではないようで、分解されたタンパク質がやはりアレルギーを起こすという話もあります。また、人工的な化学反応を加えているせいか風味に劣り、ネコによってはまったく食べない、あるいはかえって下痢をすることもあります。漢方の「レイシ」や、「オメガ3脂肪酸」など、暴走した免疫系を整え、アレルギー抑制効果があるといわれているものは、数多くあります。しかし物によっては信頼性と実績に乏しく、実質、ほとんど効果のなさそうな怪しげな製品も非常に多く存在しています。この手の商品は効いたり、効かなかったりの個体差が大きいので、試して効果がなければ、あまり固執しないほうがいいでしょう。また、副作用の少ないものを選んでください。いずれのキャットフードも、効果がでるまで2一3力月は様子をみたほうがいいでしょう。食べ始めてすぐに変化がないからといって次々に乗り換えていくと、どこかで最適なキャットフードとめぐり合っていたとしても、気がつかずに見落としてしまうことになります。また、途中でうっかりおやつを与えたり、飼い主の食卓からおこぼれをもらったりした場合は、そこから数え直しになってしまいます。ほんの少しでも「寄り道」したら、ゼロから再スタートなので要注点です。また、非アレルゲンと判断されても、その食材を続けて長期に渡り摂取し続けると、そのうちアレルゲンとなってしまうことがあります。そこで可能なかぎり多くの安全な食材・既成処方食を探しだし、これらをローテーションすることで新しいアレルゲンの発生を抑えるなどの工夫も有効です。以上のような対処法は手間がかかりますが、うまくいけば絶大な効果が上がります。
野生の世界では、毎日食べ物が手に入るわけではありません。狩りをしてもなにも捕れない日もあり、それが続けば餓死してしまいます。ですから肉食獣は、食べられるときにたくさん食べ、食べられないときは、がまんしながら明日の収穫に期待するわけです。テレビで見る野生動物はそんな厳しい環境におかれているからこそシェイプされ、美しい姿を保っているのです(まれに餓死寸前のヨボヨボな個体も映りますが……)。ペットとして飼われているネコたちは、このような不安とは無縁です。年日おいしいキャットフードがでてくるし、おかわりをせがめば、飼い主はうれしそうにキャットフードを追加してくれます。こんなことが続くとなにが起こるでしょうか?そう、「食べられるときになるべく食べておく」という肉食獣の本能と、「毎日際限なくキャットフードを与えてくれる飼い主」が出会うと、その先に待っているのは「肥満」の2文字です。なかにはもともと食が細くて太らないネコもいますが、ペットとして飼われているネコを観察すると、かなりの確率で太っていることに気がつきます。昨今、ペットの肥満は人と同じく問題になってきています。人は暴飲暴食で早死にしたとしても、それは自己責任であり、本人の意思です。ですが、動物は自分の未来を想像できません。前述したように、注意しても聞き入れない飼い主がまれにいますが、ネコが肥満に起因する病気にかかるのはlO0%飼い主の責任です。
きつい言い方をすれば、一種の動物虐待ともいえるのです。「太っちゃった」ではありません。「太らせてしまった」のです。肥満は人と同様、万病のもとです。表によくある疾患を挙げますが、あくまで代表例です。実際には、はっきり肥満のせいだと断定できないような暖味な疾患を抱えたネコも、数多く来院します。人と違い、ネコをはじめとする多くの動物は、本来走ることに適した体の構造になっています。つまり、ちょっと走ったぐらいでは、たいしたエネルギーを消費しないということです。ダイエットに効果があるほどの高負荷運動をすると、逆に心肺系や関節への負担が大きくなり、やせる前に体のどこかを壊します。ネコが運動で積極的にカロリーを消費するのは難しいので、肥満猫は小走りの軽い散歩を長めに行う程度にしたほうがいいでしょう。運動不足で体が衰えないように……ぐらいのつもりで散歩をさせてください。くどいようですが、運動はダイエットのサポートであって、主軸ではありません。では、どうやってやせさせるかといえば、そう、食べる量を減らすしかないわけです。最初に述べたように、ネコに満足いくまで自由に食べさせたら太る一方です。避妊手術や去勢手術をした場合は、ホルモンバランスの変化でさらに太りやすくなります。食に対する執着が少ないネコは、単純にキャットフードの量を減らしてください。キャットフードの袋に害いてある体重の目安より、ちょっと少なめを基本とします。たとえば体重が12kgのネコを10kgにまで減量させたいとします。この場合に与えていいキャットフードは、体重が9kgのネコに与える程度の量にしないと効果がありません。おやつは原則禁止です。また、目標までの開きが大きい場合は、いきなり最終目標に合わせるのではなく、中間目標を決めましょう。過激なダイエットが体に負担をかけるのは、人と同じです。このような場合は、かかりつけの獣医に相談して、プログラムを決めてもらったほうがいいでしょう。キャットフードの量を減らすと、猛烈に反発するネコがけっこういます。この場合は、なにかノンカロリーのものを食餌に加えて量を増やすことで、胃袋に満腹感を与えるようにしましょう。人にとってローカロリーとされている食材では、目標体重まで下げられないことが多いので、ゼロカロリーに近いものをなるべく使ってください。飼い王さんによくおすすめする増量材の例を表にあげておきます。いずれもネコによって最適な量や種類はバラバラですので、最初は少量で試し、お腹を壊す様子がなければ、メインの食餌に2~3割混ぜて使用してみてください。ただし、毎日この作業を行うのはけっこうめんどうでしょう。そういう人は、獣医が処方する強力な「ダイエットキャットフード」がおすすめです。市販のダイエットキャットフードよりも減量に役立つよう、強力につくられているので、手ごわい肥満に向いています。とはいえ、いずれの方法もやりすぎると栄養失調を起こします。数万円かけて目標体重に近くなるよう、カロリーの計算は獣医とよく相談しましょう。近所で見かける肥満猫を見て、「ああ、うちの子より太っている子がいた」などと安心しないでください。おそらく向こうもあなたのネコを見て、同じことを思っています。見本として比べるなら、もっともふさわしいのは雑誌に載っているコンテスト猫です。ぜひ、コンテスト猫を目標にしてください。

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